2015年7月2日木曜日

世界遺産 宮島に住むシカについて

6月26日で広島での命展は終わりましたが、気になることがあり、1泊延泊し、
27日は、世界遺産 宮島(嚴島神社)に行って来ました。 
宮島にはいくつかいく方法があるみたいですが、私は原爆ドーム近くから
出ている船に乗って行って来ました。

平成8年12月、「嚴島神社」は、世界遺産委員会で正式に世界文化遺産として
登録されました。
世界遺産として登録された区域は、社殿を中心とする嚴島神社と、前面の海、
背後の弥山原始林(天然記念物)の森林を含む区域の431.2ヘクタールです。
431.2ヘクタールとは、島の約15パーセントと、広い範囲となっています。

宮島には、ニホンジカが生息しています。
現在、約500頭が島内に生息しているといわれています。
宮島が世界遺産になってから、植生を守るために、山には様々な規制が
かけられました。
そのため、シカたちは食べるのもがなくなり、下に下りてくるようになりました。

少し前に、『シカが、観光客の捨てたお弁当を食べて、世界遺産の厳島を荒らす』
という記事を見つけていたので、今回、シカたちが気になって、宮島に行って
きたのでした。 
当時は、マナーの悪い観光客たちが、食べ残したお弁当を容器ごとあちこちに捨てて
いくため、それをシカが食べ、病気になったり、プラスチックなどが腸につまって死んで
しまうことも多かったようです。
今回行ってみたら、騒がれたせいか、船着場の港駅意外は、ゴミ箱は設置されて
おらず、すべて撤去されていました。
そのため、残したお弁当やごみを捨てる人はいなくなりましたが、そのかわり、
シカは、観光客の持っている地図や、お土産の入った紙袋を奪い取り、
必死に食べていました。
食べるものがなくなってしまったシカたちには、紙が唯一の食べ物なのでしょう。
シカの体を考えてなど作られていない、安いインクを使って作られた地図や、
紙袋を食べたせいで、腸につまったり、具合が悪くなってしんでしまうシカも多いと
知りました。

シカは人間の近くに寄って行きます。それは、慣れていて寄っていくのではなく、
お腹が空いて仕方がなく、観光客の持つ紙やバック、洋服などの布を食べたくて
近寄ってくるのです。
観光客たちは、紙を奪い取り食べているシカを、笑いながら写真を撮ったり、動画を
撮影したりして見ているので、私は、何回もシカから食べている紙や袋を取り上げて、
観光客には紙を与えないように説明をして歩きました。
しかし、もう先に進めないくらいあちこちで・・きりがありませんでした。

お腹が空いて、食べものではない紙を食べているシカから、その紙を取り上げること、
切なくて、悲しくて、 腹が立ってどうしようもありませんでした。

宮島のシカです。みんな痩せています。

このシカはガリガリに痩せていて、あばら骨も見えていて、腰のあたりの骨も
飛び出しています。


多くの観光客たちが記念撮影をする辺りには、こんな看板がありました。
この辺にいるシカは、若干、他のシカたちよりも、痩せてはいませんでした。
なぜかと言うと、記念撮影のときだけ、撒かれる餌を食べているからです。

ここは、記念写真の申し込み受付場所です。
シカの覗く先には、記念撮影のときに撒かれる餌が机の上にたくさん置いて
ありました。
シカは入り口ぎりぎりまで近寄りますが、中には絶対に入りません。
中にいる職員が、たまたま手を上にあげたら、シカはそこから飛びのきました。
きっと、中に入ったら、痛い目にあったりするのでしょう。

世界遺産になった頃、初めはイメージアップのために、シカを増やそうとしたそうです。
今は増えすぎたからと、シカを餓死でもさせようとしているようにしか思えません。
シカは神の遣いといいながら・・。

世界遺産に認定されてから、世界中から毎日、多くの人が集まってきます。
その収益はそうとうのものなのではないのでしょうか。
その一部を、シカたちを生かすために使うことを、なぜ考えられないのでしょうか。

前は、ニホンザルもいたそうです。しかし、数が増えすぎたため、愛知県犬山市の
モンキーセンターに送られ、現在は、ニホンザルに出会うことはほとんどないそうです。

世界遺産・・て、何なのでしょう。
そこに住むすべての生き物との共存は、重要条件とするべきではないのでしょうか。

人間が勝手に作った世界遺産の影には、こんなことが起きているのです。

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