2017年7月23日日曜日

アカテガニの放卵について(奄美大島)

7月22日、命展の会場に向かう途中、道路に大量のカニが車にひかれて死んでいました。
私はびっくりして車から降りました。
そこには、地獄のような光景が広がっていました。

カニの名前は、アカテガニと言います。
アカテガニは、海にいるのではなく、普段は陸上生活をしていますが、成長過程(卵から孵って、姿がカニの形になるまでの間)一時的に海の中で生活をします。
メスは、春から夏にかけて産卵し、卵から孵る直前まで、お腹で抱えて卵を守ります。
7月〜8月の大潮(満月か新月)の夜、満潮に合わせてメスが海岸に移動し、卵をいっせいに、海の中に放します。満潮の海に放された卵は、次に起きる引き潮に乗って、深い海の中に入っていきます。
✳︎大潮とは、潮の満ち引きの差が一番大きくなる時。
放卵し終わったカニは、また陸地に戻って行きます。

しかし、アカテガニが放卵のために移動する山と海の間には、大きな道路が作られています。アカテガニは、この道路を渡らないと、海に行くことはできないのです。

新月は23日です。22日〜24日が大潮だと知りました。
私とボランティアのHさんは、アカテガニが車にひかれることなく、海に行き放卵し、また山に戻ることができるよう、カニの手伝いをすることにしました。

命展の開場時間が終わり、アカテガニが出てくる場所に向かいました。
満潮の時間に合わせて、アカテガニのメスが川から上がり、集まっていました。


しかし、すでに車にひかれて死んでしまったカニの姿がありました。

このカニは、お腹に卵を抱えています。

お腹の下の方に見える、茶色いものが卵です。
拡大すると、卵の粒々がわかります。

このカニは、無事放卵し、陸に帰っていくカニです。
お腹に卵を抱えていません。

私たちは、車が来るたびに、道路を渡っているカニがお腹に卵を抱えているか、抱えていないかを確認し、そのカニが向かう方へ、カニを誘導しました。
真っ暗なので、私たちも車にひかれないように、三角反射板を立て、体には反射板のたすきをかけました。

こんな風にして、カニになるべくストレスを掛けないように気をつけながら、ほうきで誘導しました。


誘導の様子。(動画)

私たちがカニを誘導していることをわかってくれた車は、カニの渡る道路をゆっくりと進んでくれました。

アカテガニが放卵のために渡る道路は、ここだけではありません。
奄美大島の海沿いの道路のあちこちで行われています。
そして、奄美大島だけではありません。
日本の沿岸部では、アカテガニ他、様々なカニが、大潮の時、放卵のために道路を渡っています。

元々は陸も海もつながっていました。そこに道路を作り分断したのは人間です。
ほんの少しの思いやりや工夫で、救える命があると思います。
私たちは、今夜もカニたちのお手伝いをしようと思っています。

▶︎沖縄でカニの道を作っているところがあるそうです。

▶︎世界各地、動物のために作った道路を紹介してあるサイトです。

2017年7月17日月曜日

奄美大島命展4 1週間が過ぎました。

7月11日から始まった、奄美大島での命展4。
1週間がすぎました。

奄美大島は、朝から良いお天気で、本当に海がきれいです。
アダンの木です。


ハイビスカスもたくさん咲いています。


展示会場の様子。



晴れた日の奄美の星空です。天の川もはっきり見えます。
他の星から見たらこの地球も、天の川の一部として流れているのでしょう。
この写真に写っているたくさんの星も、今存在する星だったり、もう存在していない星だったり・・・
星空を見ていると色々なことを思い、いつまでも見上げてしまいます。
こんなに美しい星空がすぐそこにある、奄美大島の人をとても羨ましく思います。




2017年7月12日水曜日

命展 鹿児島県奄美大島会場

「災害で消えた小さな命展パート4」、2会場目の鹿児島県奄美大島に来ています。

展示会の詳細です。
「災害で消えた小さな命展パート4」
・期間:2017年7月11日〜7月23日
・場所:鹿児島県立奄美図書館 4階研修室
★講演会 7月16日(日)13:30〜15:00 4階研修室にて
※展示会場、講演会どちらも入場料無料です。

7月10日搬入の日。
海の色がたくさんの青や緑が重なり合い、本当に綺麗です。


朝、道を歩いているとノアサガオがたくさん咲いていました。

搬入は奄美図書館の職員さんとボランティアさんがお手伝いをしてくださいました。
搬入の様子。




展示会場の様子。







奄美図書館に所蔵されている、参加作家さんの絵本も置かせていただきました。

7月11日初日です。
毎日新聞、奄美新聞、南海日日の記者さんが取材に来てくださいました。




午後から少しづつ見に来てくださる方が増えて来ました。


 明日は、取材を受けた新聞に掲載されるのでたくさんの方が見に来てくださると思います。
奄美大島は台風による災害が昔から多く、過去には大きな津波が来たという記録も残っています。
 もしもの時、今回の展示が命を救うことに繋がるように心を込めて進めていきたいと思います。












2017年7月3日月曜日

盛岡命展、2日目、3日目

2日目は朝から雨でしたが、お昼から晴れました。
土曜日ということもあって、昨日より見に来られる方が多かったです。







お昼に朝日新聞の記者さんが取材に来てくださいました。
普段は沿岸部の取材をされているそうで、災害時の動物たちや飼い主さんの状況をお話ししました。



今回の命展パート4で依頼があった飼い主さんたちも、大船渡や陸前高田から絵になった子に会いに来てくれました。
絵になったこの子たちを大事に、来年の春まで全国各地を回ることをお伝えしました。


2日目も岩手県の保健所の別の職員さんが岩手日報を見て、来てくださいました。
来年の、飼い主さんへの絵のお渡し会にも来られるように日程を調整すると、言われていました。
本当に、岩手県の保健所の職員さんは心ある方達ばかりで、とても心強いです。


びっくりすることがありました。命展パート1の時に、依頼があった飼い主さんが宮古市から来てくださいました。何も知らされていなかったので、三度見ほどしました。
いつも岩手県沿岸部で展示をする時にお手伝いしてくだる飼い主さんと、Uさんです。
まさか盛岡でお会いできるとは思っていなかったので、お会いできてとても嬉しかったです。


3日目、盛岡会場最終日です。
この三日間で絵の子たちの様子にも少しずつ変化があるように思えます。
初日の控えめな表情から、だんだん微笑んでいるように見えたり。
今後、色々な会場を回りますが、きっと会場ごとで色んな変化が見えてくると思います。


そして3日目もいつもお手伝いしてくださる宮古市のボランティアさんが、見に来てくださいました。展示をゆっくりと時間を掛けて見て行かれました。




最終日の展示は19時までした。
盛岡で展示された絵たちは、次の会場に向かいます。

搬出の様子








搬出のお手伝いをしてくださったみなさんとクロステラス盛岡の橋野さんです。



搬出が終わった後、みなさんと美味しい納豆巻きが食べられるお店に行って来ました。






次は、鹿児島県奄美大島に向かいます。
7月11日から23日まで、鹿児島県立奄美図書館で開催します。
16日は13時半から講演会があります。

奄美大島にご友人や知人がいらっしゃる方は、ぜひお声掛けしていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。