2015年9月9日水曜日

奥尻島のこと、懇親会のこと。

奥尻島滞在は、あと1日でしたので、この日は様々な用事を終わらせた後、
時間の許す限り、お借りしたバイクで島を回ることにしました。


まずは、奥尻島のシンボル、鍋釣岩です。
海の底の石が、どこまでも透けて見えます。
本当に、海がきれいです。

さんご礁ではないのに、海の色が青や緑と、美しく見えるのは、真っ白な
ゴマ石が海底に広がっていて、空の色などを反射するから、と言われています。

何回も書いていますが、本当に美しい海なんです。
写真ではどうしても、微妙な色が映らないのが残念です。
もっと、グリーンや様々なブルーが入っています。
これが「奥尻ブルー」といわれる、海の色なのでしょうか・・。





奥尻島では、島のあちこちに、たくさん「避難路」が作られています。
看板も、わかりやすくてすばらしいです。



途中で、小さな動物と出会いました。
近づくと逃げてしまうので、離れて写真を撮りました。
ちょっと小さくてわかりにくいですが、ミンクだそうです。
写真をコピーして、拡大して見て頂くとわかると思います。

周囲約70キロの島には、信号は2つしかありません。
左手に海を見ながら、どこまでもこんな道を走っていきます。

ここからは島の西側を走っていきます。

ここに、22年前の地震の津波の高さが書かれたものがありました。
四角くて黄色いものです。
この高さまで、津波がきたそうです。

23.3メートル・・。
実際に下の道路に立って、見上げてみました。
あまりの高さに、言葉がでませんでした。

その先に、滝がありました。

藻内という地区から、奇岩が続きます。


風も強く、海も少し荒い感じに変わります。

ホヤ石という岩です。

この岩が、不思議な岩でした。
近づいてみました。

岩の表面です。
六角形か八角形の石が集まって出来ているように見えます。不思議です。

さらに面白い形の岩が続きます・・。

神威脇という地区に入りました。

神威脇温泉という、温泉がありました。
ちょっと立ち寄ってみました。
赤い、鉄分が多いお湯でした。
打ち身、神経痛、捻挫、切り傷・・などにいいお湯だそうです。
私も手を怪我していたので、ちょうどよかったです。
しかし、あとで聞きましたが、この温泉・・海側から丸見えだそうで・・・
まあ、もう、仕方がないです。

その後、湯の浜、幌内という地区を走りました。

ここからは少し海から離れ、山に登っていきます。

奥尻の山は、もう、秋に移りつつありました。

その後、消防士の三浦浩さんと合流、奥尻島を案内してくださいました。
三浦さんは、22年前の地震の津波を体験された方です。
命の大切さ、守る方法を、ご自身で作られた紙芝居を通して
伝えていらっしゃいます。
当時高校1年だった三浦さんは、おじいさんとおばあさんと、3人で
暮らされていました。
地震が起きたとき、数分で津波が来ることを、ずっと聞かされていたので、
おじいさんを背負い、おばあさんの手を引いて、すぐに高台に逃げたそうです。
津波は、地震後3分で到達しました。
波をかぶりながら、ぎりぎりで、助かることができたそうです。
自分の体験を、子供たちに伝え続けていくことが、命を救うことにつながると、
地道に伝え続けていらっしゃいます。
以下のサイトで、そのことをお話されています。是非、ご覧になってください。
<北海道奥尻島からのメッセージ>※三浦浩さんは、一番最後、3人目です。
 http://www.nhk.or.jp/sapporo/bousai/miniprogram/okushiri.html

三浦さんが最初に向かった先は、球島山です。
球島山は、奥尻島に来て、はじめにPTAのお母さんに連れてきていただいた
場所でした。

三浦さんは車を降りて、凧を出し、「凧あげしましょう!」 と。
急な階段を登って、山頂に向かいます。

球島山山頂です。よい風が吹いていました。

360度、見渡せます。


凧をあげる、三浦さん。とても上手です。
結構、高いところまで上がっていきました。

私も凧を持たせてもらいました。
凧あげなんて、小学校以来でしょうか・・。
奥尻島で、しかも山頂で、まさかの凧あげ、楽しかったです。

その後、私が探せなかった場所の一つ、「ずぼら洞」に連れて行って
いただきました。
最後に、三浦さんのオススメの場所へ。
「うささん、島をまわってて気づいたかなあ・・」と言いながら、車を走らせ、
トンネルを通り、車をぐるっとUターンさせました。

岩に、亀の甲羅みたいな模様が!! 

不思議です。どうしてここだけ、亀の甲羅みたいになっているのでしょう。
波や風で削られて、偶然こうなったのでしょうか・・。
自然の作るものは、本当に不思議で、感動します。

ちょうど、夕日が沈むころで、ますます、岩が神秘的でした。

 その後、18時から、奥尻小学校の先生方とPTAのお母さんたちとの懇親会が
あるため、島の反対側の奥尻地区へ戻りました。
本当にたくさんの方々が、集まってくださっていました。
みなさん、さすが・・お酒は強い方ばかりです。

ここで、三浦さんは、紙芝居『あの坂へいそげ』を見せてくださいました。


私も始めて、聞かせていただきました。
心に残っている言葉があります。
『おじいさんとおばあさんは、浩くんを命の恩人だといいました。でも、「それは
違うよ」と浩くんは言いました。 おじいさんとおばあさんが、浩くんが小さい時
から、ずっと津波のことを教えてくれていたから、助かることができたんだよと。』
私の記憶なので、文章は実際と少し違っていると思いますが、 このようなことを
話されていました。
きっと、ご自身の体験をお話されるということは、簡単なことではないはずです。
本当に、伝えることの大切さ、そして勇気を教えていただきました。
紙芝居『あの坂へいそげ』 は、こちらから全て見ることができます。
http://www.nhk.or.jp/sapporo/bousai/it/okushiri_tunami.html
(リンクを開き、動画の下のほうが、紙芝居フルバージョンになっています。)

18時から始まった懇親会・・あっという間に、もうすぐ0時になろうとしていました。
6時間も!!あっという間に時間が過ぎていました。
奥尻のみなさんと記念写真です。
私の宝物がひとつ、増えました。

その後、私とPTAのお母さんは、車でいらしたため一人お酒を飲んで
いなかった三浦さんに送っていただきました。
(三浦さん、6時間もお酒飲めなくてすみませんでした)
ふと、駐車場から空を見上げたら、星がとてもきれいでした。
光がないところに行けば、もっと星が見えるね!と、山のほうに向かいました。
車を止めて、ライトを消したら・・満天の星空が広がり、天の川も見えました。
3人で感動しながら、しばらく星空を見ていました。
流れ星も、たくさん流れました。

奥尻島は、海も山も夜空も、すべてが美しいところです。
そして、人もとっても温かい・・。
「何もなくって不便だ」と言うけれど、大切なものがたくさん、たくさんある、
素晴らしいところでした。


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